株式会社マルハン
東日本カンパニー 上席執行役員 武田 幸久様 東日本カンパニー 人事部 チーフ 林 正猛様 受講者:人事部 チーフ 大長 勝哉様
次世代リーダー向け研修
本社所在地
京都本社(西日本カンパニー)京都府京都市上京区出町今出川上る青龍町 231番地、東京本社(東日本カンパニー・北日本カンパニー・金融カンパニー・グループユニット)東京都千代田区丸の内1-11-1 パシフィックセンチュリープレイス丸の内28階・31階
設立
1972年12月11日
従業員数
10,687名(正社員4,467名 パート6,220名)(2024年3月期)
業種
総合アミューズメント
事業内容
パチンコ、ボウリング、アミューズメント、シネマなどレジャーに関する業務の経営、ビルメンテナンス事業、飲食事業、ゴルフ事業、海外金融事業なども経営

導入の成果

当初、ブレイクスルーカレッジは「7つの習慣®」の内容を学ぶという印象が強かったです。しかし、「7つの習慣®」だけではなく、タイトル通り全6回で徐々にブレイクスルーに向かっていく設計になっていました。カリキュラムの中で隣の人と意見交換するワークが多くあったので、お互いの部署について、また、どんな業務を担い、何を目指しているのかを知ることができ、たった6回ながら、かなり相互理解が深まりました。

前半の3回目までは、部門ごとにビジョンがバラバラな印象がありましたが、それが徐々にまとまり始めました。後半では共同作業が機能し出し、組織としてブレイクスルーをするにあたってのビジョンを議論するなど、受講者同士の情報共有量に変化がみられるようになりました。中には、研修と研修の間の通常業務においても、自身の座席を離れ、部署を越えてコミュニケーションを取りに行くなど、積極的な姿勢も増えていきました。

研修で部門の枠を超えて相互理解する

ブレイクスルーカレッジ導入のきっかけや狙いについて教えてください。

武田様:

ジェイックの研修を知ったのは2年前のことです。「ストレングスファインダー®」やカーネギーの「人を動かす」、「7つの習慣®」などのカリキュラムを見て、社員が多くの学びを得られるだろうと感じていました。

当社は2021年からカンパニー制となりました。本社の間接部門の機能も分ける形となり、現在までの約3年間、まずはそれぞれの領域における高い専門性を生かしてカンパニー制を機能させていくことに集中してきました。

その結果、それぞれの部門に専門性の高いメンバーがいる一方、業務はサイロ化していきました。部署を越えた何らかの協働や改善は部門長に委ねられている状況でした。

さらにこの間、主力のパチンコ事業以外にも11の新規事業が展開され、主力事業だけでなく、新規事業においてもすべてをカバーし、支援する間接機能が求められるようになってきました。また、各事業でイノベーションを起こしていくには、専門性の高い仕事をしていくことが前提となります。両側面を踏まえ、部署を越えたコミュニケーションを通じ、シナジーを生んでいくことが必須となってきています

そんな課題感を抱えながら、ブレイクスルーカレッジを導入しました。まずは部門長の個々人のリーダーシップやマネジメントを見直してもらい、さらに部署を跨ぐチーム編成でコミュニケーションの機会創出、お互いの理解を深めることを狙いました。カンパニー全体の底上げには、間接部門のリーダーの意識変革やコミュニケーションの機会創出と仕組み化が求められており、解決手段としてブレイクスルーカレッジがフィットすると考えました。

ブレイクスルーカレッジ実施の目的には、リーダー個人の成長はもとより、組織全体の成長もありました。各部門長は自己効力感を大いに持っていますが、それ故に、他部署の批判をすることもありました。お互いに理解できていないから安易に評価してしまうのです。相互理解が不十分であるから相手を評価してしまうということを、お互いが認識し、「部門を超えて協力して成し遂げる」という状態にしたいと考えています。

「協力して成し遂げる」ためには、対話が必須となります。ブレイクスルーカレッジは互いの壁を突破し、対話が生まれるサービスでもあると感じました。自己効力感から組織効力感を生み出し、現状悪循環となっている間接部門の組織を、好循環で回せるようになることを期待しています。

実際に研修を受講されていかがでしたか?

大長様:

当初、ブレイクスルーカレッジは「7つの習慣®」の内容を学ぶという印象が強かったです。しかし、「7つの習慣®」だけではなく、タイトル通り全6回で徐々にブレイクスルーに向かっていく設計になっていました。カリキュラムの中で隣の人と意見交換するワークが多くあったので、お互いの部署について、また、どんな業務を担い、何を目指しているのかを知ることができ、たった6回ながら、かなり相互理解が深まりました。

前半の3回目までは、部門ごとにビジョンがバラバラな印象がありましたが、それが徐々にまとまり始めました。後半では共同作業が機能し出し、組織としてブレイクスルーをするにあたってのビジョンを議論するなど、受講者同士の情報共有量に変化がみられるようになりました。中には、研修と研修の間の通常業務においても、自身の座席を離れ、部署を越えてコミュニケーションを取りに行くなど、積極的な姿勢も増えていきました。

林様:

私はオブザーバーとして参加していましたが、部門長たちの研修意欲が思っていたより前向きだと感じました。大長の言う通り、最初はビジョンが部門ごとにバラバラな感じがしましたが、後半は部門同士の理解を深め、自ら行動して周囲に話を聞きに行く姿が見られるようになりました。4回目以降はブレイクスルーが実際に行動にも現れてきていることが感じられました。

研修がコミュニケーションの起点に

全6回の研修で印象的な場面はありましたか?

林様:

全6回のうち、3回目終了時点でコミュニケーションの仕方に変化が見られ、組織の課題を双方の部署で解決していこうとするアクションが増えました。様々な意見が出て、まるで紛糾しているように見える場面もありましたが、そこから研修の方向性が活力あるものに変わったように思えました。

武田様:

林が言う3日目の“紛糾”のトリガーとなったのは、当社が掲げている中長期目標である「ビジョン2030年」に起因しているかと思います。こちらは2021年から2030年までの10年ビジョンを定めたものです。部門長でも2030年までビジョンを描ける人もいれば、一時的に短期的な視点を持つ人もおり、時間軸の違いや、捉え方の違いなどが意見の食い違いに繋がっていると思いました。

確かに2030年やその先の業界団体の状況について、今から正しく予測することは容易ではありません。しかし、紛糾しただけでは解決はしないので、先に進むためにお互いが理解し合い、普段からコミュニケーションをとることを仕組み化しなければならないでしょう。

ブレイクスルーカレッジに参加したメンバーは日常業務でも他部署へ情報を取りに行くようなことが増えました。研修の機会がコミュニケーションの起点となったのです。一過性で終わらせず、知らなかったことをもっと知りたいと思えるような環境づくりを目指しています。

リーダーの成長が会社を変えていく

受講してどんな学びがありましたか?

大長様:

デール・カーネギーについては知らないことが多くありました。人に話してもらうためのスキルや、相手の話す内容を意識する姿勢などを知ることで、コミュニケーションの仕方が大きく変わることがわかりました。

ビジネスシーンで会話を進めていくと、「利益」がまず優先されがちだと思うのですが、肝心なのは「その先で何を得たいのか」ということです。「7つの習慣®」の研修では目先の利益よりも、その先を見据えた意見が出てくる。利益はまず横に置き、しっかり議論を重ねた末に得たいものに行きつくのです。たった半年の研修でしたが、自分の中でも特にコミュニケーションの面で変化した手応えがあります。

林様:

ほかにも部門長たちは研修後、リーダーとして取り組んでいることをその都度、部門に共有するようになり、部門のメンバーたちも「であれば、こういうことが必要なのだな」ということを理解しやすくなりました。部門長が個々の取り組みをリアルタイムに話してくれるようなことは今まではなかったので、報告をもらった時はうれしく感じました。まさに研修がコミュニケーションの起点になった瞬間でした。

今回の研修を踏まえた今後の展望について教えてください

武田様:

組織の枠を越えてコミュニケーションを図っていくことが自身のためであり、会社のためにもなります。これらは分かっていながらもなかなか実践できていませんでした。これからも大事にしていきたいと思います。

コミュニケーションの起点は自分です。誰かを待つわけではなく、自分から動かないと始まりません。組織においてコミュニケーションの起点はリーダーであるということを、リーダー自身が研修を通して気づいたのではないかと思います。受講したリーダーの中には、行動変容を起こしてくれた者もおり、直属ではなく斜めの関係にいるメンバーとの1on1を開始して、風通しの良い環境を作った人もいます。

実は今回のブレイクスルーカレッジ参加前に360度診断を行っており、それを基にリーダーシップの課題、マネジメントの課題など、私が個別にフィードバックしました。フィードバックを踏まえて、部門長たちは研修でアクションを起こせたと思います。

チームワークの3要素は「感情」「行動」「認知」と考えています。誰が何を知っているか、誰が何を得意としているか、それらを皆が知っている状態にすることがチームワークの土台になるのです。これからも、それぞれの強みを共有する前提で、コミュニケーションをデザインしていきたいと思います。