社外1on1とは
社外1on1とは、従業員が社外の専門家と行う1on1のことです。面談を担当するのは、国家資格キャリアコンサルタントなど、従業員の評価や社内の人間関係に直接関わらない第三者です。
扱うテーマは、職場での悩みや人間関係、ワークライフバランス、マネジメント、キャリア形成など多岐にわたります。キャリアだけに限定せず、従業員が日々の仕事や組織生活の中で抱える不安や課題を幅広く扱います。
社外1on1のポイントは、利害関係のない第三者が実施することで、従業員にとって「安心して話せる場」になりやすいことです。社内では言いづらい本音を話すことで、自己理解や感情・思考の整理、内省が進み、前向きで理性的な思考や行動につながりやすくなります。
社内1on1との違い
社内1on1と社外1on1の大きな違いは主に「本音を話しやすい心理的安全性」と「対応者の専門性」の2点です。
社内1on1は、上司や人事が担当します。社内1on1の対応者は社内の業務や制度を理解しており、業務の調整や制度の活用といった課題への直接的な支援に強みがあります。一方で、上司や人事は利害関係者であり、職場への不満やキャリアの不安、転職の検討といった「言いづらい本音」は社内1on1では表に出にくくなります。
社外1on1は、利害関係のない専門家が担当します。従業員は評価を気にせず本音を話せるため、悩みや考えの整理、内省の促進につながりやすくなります。
社内1on1と社外1on1は、どちらが優れているというものではなく、強みが異なります。そのため、社外1on1で本音の整理や内省を支援し、社内1on1で業務や制度面の支援を行う形で、組み合わせて活用することで効果を高めやすくなります。
社内1on1と社外1on1の違いを整理すると、以下のとおりです。
| 項目 | 社内1on1(上司・人事) | 社外1on1(社外の専門家) |
|---|---|---|
| 心理的安全性 | × 評価や人間関係への影響が気になる | ◎ 利害関係がないため本音を話しやすい |
| 対応者の専門性 | △ 対応者のスキルにばらつきが出やすい | ◎ 専門家であるため品質を維持しやすい |
| 社内事情・制度の理解 | ◎ 社内制度や現場を理解している | △ 情報共有しても理解に限界がある |
| 直接的な課題解決 | ◎ 業務調整や制度活用など直接対応できる | × 整理・内省の支援が中心で解決するのは本人 |
| 人事・管理職の負担 | △ 面談実施・日程調整の負担が大きい | ◎ 面談実施を任せられる(日程調整・運用の負担はサービスにより差) |
コーチングと1on1の違い
コーチングは、傾聴と問いかけを中心に対話を進める点で、1on1と共通する部分があります。相手の考えを引き出しながら気づきを促すという進め方は、1on1とよく似ています。
一方で、両者は目的や位置づけが異なります。法人がコーチングを導入する場合、事業成長や業績拡大を目的に実施されることが多く、目標達成に向けた手法を導き出し、行動を後押しする色合いが強くなります。
これに対して社外1on1は、従業員一人ひとりの働きがいやエンゲージメント、キャリア形成、ウェルビーイングといった「個」の文脈とつながっていることが多い点が特徴です。同じ対話型の支援でも、社外1on1は本音の整理や内省を通じて、従業員が安心して前を向ける状態をつくることを目的とします。
社外1on1が求められる背景
社外1on1が求められる背景には、若手・中堅、優秀層の定着や離職防止という課題、社内1on1だけでは本音を引き出しにくい構造、そして管理職のスキル差や負担の増大による運用の難しさがあります。
ここでは、社外1on1が求められる3つの背景を解説します。
若手・中堅、優秀層の離職防止とエンゲージメント
若手・中堅社員や優秀人材の定着に課題を感じる企業は増えています。転職を前提としたキャリア形成が一般化し、オンラインで手軽に求人情報へ触れ、面談・面接まで受けられるようになったことで、転職のハードルは下がっています。しかし、若手・中堅層や優秀層の流出は、競争力の低下や、採用・育成コストの増加につながります。
労働者は、「この会社で働き続けることが、自分の将来につながるのか 」を以前よりもかなり強く意識するようになっています。今後の見通しが持てない、いわゆるキャリア安全性が欠けた状態が続くと、モチベーションの低下や離職につながりやすくなります。
こうした退職の予兆は、上司や人事との社内面談では掴みにくいのが実情です。評価や人間関係への影響を気にして本音が語られにくく、転職先が決まってから相談される、というケースも少なくありません。だからこそ、社内では話しにくい悩みや本音を早い段階で引き出し、整理できる場が求められます。利害関係のない社外1on1で悩みを早期解決することで、定着や離職防止につなげやすくなります。
社内1on1の構造的な課題
社内1on1が抱える課題は、上司や人事が担当する構造そのものにあります。上司や人事は組織側の立場であり、利害関係者です。従って、評価には影響しないと言われても、従業員は「評価に影響するのではないか」と気にして、本音を話しづらくなりがちです。また日常で接する相手だからこそ、人間関係や「立派な人物であると思われたい」といったプライドも出てきます。
そのため、職場や人間関係への不満、キャリアへの不安といった1on1で本来扱うべき重要なテーマほど、社内では表面化しにくくなります。話しづらいテーマが避けられ、当たり障りのないやり取りにとどまってしまうこともあります。
本音が出ないままでは内省も深まらず、面談が表面的なやり取りで終わり、効果が限られてしまいます。こうした構造的な課題に対して、利害関係のない社外の専門家が加わることで、社内1on1だけでは届かない本音を引き出しやすくなります。
管理職のスキル差・負担の増大
良質な1on1を行うには、傾聴やコーチングといったスキルが欠かせません。しかし、研修を実施しても、担当する管理職ごとにスキルのレベル差が生じやすく、面談の質にばらつきが出ることがあります。
プレイングマネージャーとして自分の業務を抱えながら、部下の育成やフォローを担う管理職も少なくありません。その結果、1on1が業務報告や進捗確認に偏ったり、上司からの一方的なアドバイス中心になったりして、形骸化してしまうケースもあります。
さらに、管理職にキャリア自律支援やメンタル面のケアまで求めると、管理職の負担が過大になりやすくなります。社外1on1を活用することで、専門家が従業員の悩みや不安を受け止め、管理職だけに負担が集中しない体制をつくることが大切です。
社外1on1を利用するメリット・効果
社外1on1は、従業員が安心して本音を話せる場をつくり、悩みや不安の整理、前向きな行動変容につなげやすい取り組みです。また、専門家が面談を担当することで面談品質を安定させやすく、人事・管理職の負担軽減や組織課題の可視化にもつながります。社外1on1を利用する主なメリット・効果を解説します。
心理的安全性の担保
社外1on1の最大のメリットは、従業員が安心して本音を話しやすいことです。利害関係のない社外の専門家が担当するため、評価への影響や社内に知られる不安を感じにくく、安心して話せる場になります。上司や人事が相手では話しにくい、職場や人間関係の悩み、キャリアへの不安、転職の検討といったテーマも、社外の専門家であれば話しやすいでしょう。本音を話すことで、面談が表面的なやり取りで終わらず、深い対話につながります。
内省促進と意識・行動変容
社内面談では、上司や人事が自分の経験にもとづいて指導やアドバイスをしがちなため、従業員の内省が深まりにくい面があります。一方で、社外の専門家は答えを一方的に示すのではなく、傾聴と質問を通じて、従業員自身が感情や思考を整理できるように関わります。本音を言語化するうちに内省が進み、自分の課題や今後の方向性にも気づきやすくなっていきます。悩みや不安が整理されると、「今の会社でまだできることがある」といった前向きな意識や行動の変化にもつながります。
面談品質の安定
社外1on1では、国家資格キャリアコンサルタントなどの専門家が対応することで、一定水準の面談品質を保ちやすくなります。担当者の経験やスキルに左右されやすい社内面談と比べて、傾聴や質問のスキルを持つ人材に面談を任せられるため、担当者による差が生じにくく、面談の質が安定しやすくなる点がメリットです。専門家の傾聴と質問により、従業員は感情や思考を言葉にしやすく、内省を深めやすくなります。ただし、対応できるテーマや専門家の選定方法はサービスによって異なるため、自社の対象者や相談テーマに合うかどうかを事前に確認しておくことが重要です。
人事・管理職の負担軽減
1on1や面談を実施する場合、準備から実施、実施後のフォローまで多くの工数がかかります。対象となる従業員が増えるほど、日程調整や記録の作成といった業務も膨らみ、人事や管理職の負担は大きくなりがちです。
社外1on1を活用し、面談業務を社外に任せることで、人事や管理職は本来のコア業務に集中しやすくなります。とくに、日程調整や運用までを任せられるサービスであれば、人事側の運用負担をさらに抑えられるでしょう。また管理職が部下のキャリア自律支援やメンタル面のケアまで一人で抱え込む状況を避けやすくなる点も、社外1on1を活用するメリットです。
組織課題の可視化と改善
社外1on1で得られた面談内容を、個人が特定されない形で集約・分析することで、組織全体の傾向を把握しやすくなることもメリットです。パルスサーベイなどの定量調査では見えにくい、現場の本音や課題を捉えやすくなります。例えば、従業員がどのような不安や悩みを抱えているのか、部署や階層ごとにどのような課題や傾向が見られるのかを確認する材料になります。
離職リスクの兆候やエンゲージメント低下の要因を早い段階でつかめれば、問題が大きくなる前に、先手を打った対策につなげられるでしょう。把握した課題は、育成施策の見直しやマネジメントの改善など、具体的な打ち手に活かすことができます。面談を個人の支援で終わらせず、組織づくりにも役立てられる点が、社外1on1の特徴です。
社外1on1の活用方法
社外1on1は、研修前後のフォローや入社・異動直後のオンボーディング、管理職の1on1スキル向上、ミドルシニア層の支援、社内施策との併用など、様々な場面で活用できます。社外1on1の代表的な活用方法を5つ解説します。
研修前後の個別フォロー
キャリア研修は、従業員がキャリアについて考えるきっかけになります。しかし、集合形式の研修だけでは、一人ひとりの悩みや状況にまで十分に踏み込むことは難しい面があります。
そこで、研修後に社外1on1を組み合わせることが効果的です。面談を通じて、研修で得た学びを個人の状況に落とし込みやすくなります。研修で描いたキャリアプランや行動計画を、専門家との対話を通じて具体化・修正でき、その後の行動につなげやすくなるでしょう。研修前に社外1on1を実施することも効果的です。事前に自分の課題や考えを整理しておくことで、目的意識を持って研修に参加しやすくなり、学びの深まりが期待できます。
中途入社者・異動者、昇格者のオンボーディング
中途入社や異動、昇格など、環境や役割が変わった直後は、期待とともに不安や悩みを抱えやすい時期です。新しい職場や業務に慣れるまでの負担も大きく、周囲に相談しにくいまま悩みを一人で抱え込んでしまうと、早期離職につながることもあります。
こうした時期に社外の専門家が早い段階で関わると、社内では言いにくい不安を引き出し、考えや気持ちの整理を支援しやすくなります。新しい環境への向き合い方や、自分に期待されている役割を落ち着いて考える手助けになるでしょう。立ち上がりの不安をやわらげることは、早期離職の防止や、その後の定着につながります。入社・異動・昇格といった節目に合わせて面談の機会を設けておくと、変化の大きい時期にある従業員を支えやすくなります。
管理職の1on1スキル向上支援
社外1on1は、管理職の1on1スキル向上にも活用できます。管理職が社外の専門家との1on1を実際に体験することで、良質な1on1がどのようなものかを、受け手の立場から理解しやすくなります。自分が傾聴された経験や、問いかけによって考えが整理された感覚は、部下との1on1にそのまま活かすことができます。専門家との対話を通じて、傾聴や質問の進め方を、知識としてだけでなく実感として学べるでしょう。
さらに、管理職自身のキャリアの悩みを整理する場としても役立ちます。管理職になると、日々の業務やマネジメントに追われるなかで、自分のキャリアと向き合う機会は持ちにくいものです。社外1on1は、そうした内省の時間にもなるでしょう。
ミドルシニア・役職定年層のキャリア支援
ミドルシニアや役職定年を迎える層は、役割の変化に伴う悩みを抱えやすい時期にあります。役職定年後の働き方やセカンドキャリア、これまでの経験の活かし方など、考えるべきテーマは多岐にわたります。一方で、こうしたテーマは社内では扱いにくい面があります。面談相手となる上司や人事が年下になるケースもあり、社内では本音を打ち明けにくいと感じる従業員も少なくありません。
相談者の経験や年代に合った専門家を選べる社外1on1サービスであれば、立場や背景を理解したうえで、役割の変化やセカンドキャリアといったテーマについて相談しやすくなります。これまでの経験を整理し、今後の働き方を前向きに考える機会としても活用できます。
社内1on1・相談窓口との併用
社外1on1は、社内面談をすべて置き換えるものではありません。社内1on1や相談窓口と役割を分担し、併用することで効果を高めやすくなります。役割の分け方としては、「本音の整理」と「直接的な支援」と考えると良いでしょう。
社外1on1は、利害関係のない専門家がキャリアの悩みや本音の整理を担います。社内1on1や相談窓口は、業務の調整や制度の活用など、社内だからこそできる直接的な支援を担います。
社内1on1や相談窓口だけでは拾いにくい本音も、守秘義務のある社外1on1であれば受け止めやすくなります。そこで整理された課題を、必要に応じて社内での支援や解決につなげる流れをつくることで、より実効性のある従業員支援につながるでしょう。
社外1on1サービス|Kakedas(カケダス)
ジェイックグループ(株式会社Kakedas)では、国家資格キャリアコンサルタントによる社外1on1サービス「Kakedas(カケダス)」を提供しています。
Kakedasは、国家資格キャリアコンサルタントが4,661人登録する(2026年4月末時点・累計)、国内最大級のキャリア面談・社外1on1プラットフォームです。守秘義務を持った社外の専門家が面談を担当することで、上司や人事には言いにくい本音を引き出し、従業員の内省や組織課題の把握につなげます。
本音を引き出す、国家資格キャリアコンサルタントによる1on1
Kakedasの社外1on1は、国家資格キャリアコンサルタントが面談を担当します。守秘義務を持った社外の第三者だからこそ、従業員は「評価に影響するのではないか」「社内に知られるのではないか」といった不安を感じにくく、安心して話すことができます。
上司や人事との面談では打ち明けにくい、職場や人間関係の悩み、キャリアへの不安、働き方の迷いといったテーマも、Kakedasの1on1であれば打ち明けやすくなります。本音を言葉にすることで内省が進み、自分の考えや今後の方向性を整理しやすくなるでしょう。

従業員と相性の合った相談相手をマッチング
面談の満足度は、相談相手との相性にも左右されます。年代や職種、専門性、価値観は従業員一人ひとりで異なるため、相性の良い相手を選べる仕組みが大切です。
Kakedasでは、登録する国家資格キャリアコンサルタントの中から、特性検査の結果を踏まえて、相性の良い候補を10人選定します。従業員は経歴やプロフィールを確認しながら、相談したい相手を自分で選ぶことができます。また、経歴やキーワードで検索して指名することも可能です。
自分で選んだ相手だからこそ、初めての面談でも緊張しすぎず、本音を話しやすくなります。また、もし相性が合わないと感じた場合は、次回から別のキャリアコンサルタントに変更することもできます。

本音の対話データを分析し、組織課題を可視化
Kakedasの社外1on1は、個人の支援にとどまらず、組織の課題把握にも役立ちます。面談で得られた対話データは、個人を特定しない形でまとめられレポートとして提供されます。
従業員の健康やメンタルヘルス、働きがい、退職リスクなどの傾向を、項目ごとに数値で把握。数値データに加え、対話分析から抜粋した傾向や他社との比較も含まれるため、把握した課題を育成施策やマネジメントの改善といった具体的な打ち手につなげやすくなります。

社外1on1サービスご利用の流れ
お問い合わせ、資料請求
お問い合わせ・資料請求は、電話、Webフォーム、メール等で承ります。まずはお気軽にご連絡ください。
ヒアリング訪問(オンライン可)
お問い合わせいただいたご担当の方へ、対面もしくはお電話などで、お問い合わせいただいた背景や目的をお伺いいたします。その上で、貴社のご要望や課題に沿ったサービスをご提案いたします。
ご契約
ご提案の内容でご納得いただきましたら、ご契約の手続きに進みます。申込書の受領を持って契約完了となります。
社外1on1サービスご利用開始
ご利用に当たりご不明点やご要望等がございましたら、いつでも担当までご相談ください。
社外1on1サービスでよくある質問と回答
外部の専門家に本音を話すことで、転職が促進されませんか?
Kakedasは、転職を前提に相談を受けることはありません。企業から報酬を受けて提供するサービスであり、かつ社外の第三者だからこそ、従業員は評価や社内の人間関係を気にせず本音を話し、キャリアや悩みの整理を進めることができます。本音を話して内省が進むと、「今の会社でまだできることがある」と気づくケースも多くあります。むしろ、社内で相談できない悩みを抱え込むほうが離職につながりやすく、本音を話せる場を用意することが、結果的に定着につながります。
相談内容は会社に共有されますか?
個人を特定できる相談内容を、会社に共有することはありません。従業員が安心して本音を話せるよう、面談内容の取り扱いには十分に配慮して運用します。会社へのフィードバックは、個人を特定しない形でまとめたレポートとして提供します。従業員の心理的安全性を守りながら、組織全体の傾向を把握できる仕組みです。
少人数や特定部署からでも導入できますか?
特定の部署や年代など、小規模からのスタートが可能です。まずは対象を絞って始め、状況を見ながら段階的に広げることもできます。希望者のみが利用する運用にも対応しています。自社の目的や状況に合わせて、無理のない形で始められます。
導入前後のサポートはありますか?
導入前の課題ヒアリングから、導入後の従業員向けオンボーディング、運用サポート、レポートの読み解きまで、担当者がサポートします。はじめての導入でも運用の負担を抑えられるよう支援しますので、安心してご利用いただけます(運用サポート等は一部有償オプションもあります)。
社外の担当者に、自社のことを理解してもらえますか?
導入前に、貴社の課題や導入目的、対象者の状況などをヒアリングしたうえで、運用方法をご提案します。この過程で企業側の背景や課題を共有いただくことで、面談を担当する専門家も、貴社の状況を踏まえて対応できます。サービス説明や課題のヒアリングのみのご相談も可能です。自社の課題に社外1on1が合うかを確認したい段階でも、お気軽にお問い合わせください。
