営┃業┃革┃新┃の┃急┃所┃
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◆第92号◆
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■■■■■■ 今回のテーマ ■■■■■■
Y君の成績が下がったワケ
〜営業マンは武器を身につけよ〜
株式会社ジェイック
http://www.jaic-g.com/
チーフコンサルタント 林丈司
hayashi@jaic-g.com
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こんにちは。
突然寒くなったこの3月中旬。
スタッドレスから夏用タイヤに履き替えたばかりなのに、
雪国の実家は大雪らしい。
彼岸に帰省する約束をしていたのですが、どうしようかな。
では、今回のメルマガです。
■ キャラクターが良いある営業マンの5年間
営業マンの中には、キャラクター勝負の人がいます。
持ち前のユニークなキャラクターで、お客様の心の中に滑り込み
高い実績をあげる人たちのことです。
ここにそんな営業マンY君がいました。
彼は童顔で、初対面の人にも警戒心を抱かせません。
説明はそう上手ではないものの、誠実な雰囲気が漂っています。
「この若者なら自分を騙すようなことはしないだろう」
そう思わせる何かを持っているY君です。
彼は新卒で入社後、平均以上の結果を獲得します。
トップセールスとは言えないまでも、何人かの先輩を追い越し
同期の中でも上位に名を連ねました。
そんな3年間が過ぎ、4年目を迎えました。
営業部長からは、今後ますます営業マンとして貴重な戦力になるだろう、
と期待もされていました。
しかし・・・
4年目の彼の成績ははじめて前年割れしてしまいました。
市場や競合の関係もあるかもしれませんが、
他の営業マンの多くが実績を伸ばしていることを考えると、
Y君本人に原因がありそうです。
でも、前年割れといっても、ごくわずか。
今年はたまたまだ、来年こそもっとがんばってくれるさ、
と営業部長は思っていたものです。
そして5年目のY君、彼も既に27歳になりました。
なのに、更に成績が下がってしまったのです。
彼のこの年の成績は、2年目を下回ってしまいました。
この業界は長くいればいるほど有利になる特性を持っているのに、
Y君は2年連続で成績が下がってしまったのです。
本人は大きなショックを受けていました。
そして、成績に悲観したY君はこの春、
引き止める上司や私の説得を振り切り、転職をしてしまったのです。
■ 経験を積むと何かを失う?
これは実話です。
Y君はなぜこんなに成績が下がってしまったのでしょうか。
私がいろいろな会社に伺った経験を振り返ってみると、
似たようなケースはけっこうたくさんありました。
ここまで成績が下がっていくということでなくても、
以前なら買っていただけたであろうお客様にそっぽを向かれてしまう、
という経験があなたやあなたの部下の方にもないでしょうか?
Y君が社会に出て間もないころ、
多くのお客様に買っていただいた主な理由があります。
それは、
“営業マンとしての雰囲気”
でした。
「おいおい、そんなものが理由になるのかよ」と思うかもしれません。
でも十分理由になります。
それは、この“人が固有に持つ雰囲気”は
営業マンとして非常に強い武器のひとつになる
からです。
人間誰しも、その人なりの“雰囲気”を持っているものです。
顔立ちや身だしなみ、応対の仕方とかだけじゃないですよ。
例えば、
・笑顔の際、顔全体で笑うかどうか
・話しているときの目の表情
・「はい」と言うときの声の大きさ・高さ
・リアクションのとり方・・・・etcetc
というように、無限の“雰囲気を作る要件”があるでしょう。
そしてこうやって作り出された雰囲気が、得てして、
お客様に受け入れられるかどうかを左右することがあります。
話を戻します。
Y君もそんな雰囲気を持っていました。
言葉にすれば、
“マジメで人の良い、嘘をつきそうもない営業マン”
というようなもので、この雰囲気を感じ取ったお客様は、
「少しくらいのミスは許してあげるからガンバってね」
という感情を持ったことでしょう。
だから彼が若いとき、年齢にして25歳くらいまでは、
この雰囲気がお客様に伝わって、
営業活動の大きな助けになっていたのです。
しかし、こういった雰囲気は社会に出て数年経てば、
徐々に失われていきます。
一言で言えば、「初々しい営業マン」から「経験を積んだ営業マン」
に変わっていったのでしょう。
変わったのは、いろいろなお客様に鍛えられ、マジメで嘘をつかない
キャラクターだけではうまくいかない経験も積み、呼吸を測った交渉や、
演技に長けたクロージングを身につけたからかもしれません。
それは別に悪いことではありませんよね。
しかし!
彼の成績は下がったのです。
成績だけ見てみれば、十人並みの営業マンになってしまいました。
いや、言い直します。
結果がものをいう世界。
成績が十人並みなら、営業マンとしても十人並み以外の何者でもないのです。
でもY君には、十人並みになるしか道がなかったのでしょうか。
■ 営業マンは武器を身につけよ
Y君のような営業マンには時々会いますが、
彼らは一様に、自分がなぜお客様に買っていただいたのか、
の分析が甘いようです。(まぁ彼らだけではないですが)
若いころの自分がなぜ売れていたか、その理由を押さえていれば、
このことに思い当たるはずです。
「自分にはお客様に受け入れてもらいやすい武器があったからだ」
先に出てきた、
“マジメで人の良い、嘘をつきそうもない営業マン”
という武器は、多くの営業マンが持ちたがります。
それだけ誰でも思いつきやすい武器と言えるのですが、
実際にこの武器を持てる営業マンはわずかに過ぎません。
そして、
特に新入社員や若手の営業マンは彼らの経験のなさや年齢から、
偶然にこの雰囲気を持っている
ように思えます。
しかし偶然持ったに過ぎないからこそ、
経験を積むことで失ってしまいやすいのです。
そして、なぜお客様に買っていただいていたか、
という分析がされていないため、その武器を失ったあとも行動が
大きく変わることはなく、結果成長が鈍化、
若しくはストップしてしまうということになります。
営業マンは、何かひとつでもいい。
強力な武器を持つべきです。
もちろん、その武器はキャラクターや雰囲気に限りません。
お客様の心を動かす何かの武器
を身につけないと、
Y君のように対策も思いつかず、マジメに一生懸命取り組んでいるのに、
その努力は空回りして、成績は右肩下がりになってしまうかもしれません。
え?どんな武器があるかって?
それは過去のメルマガを読んでください。
ヒントはそこかしこに書いてきたつもりですよ。
了
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・・・・・・・・・次回もお楽しみに
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発行:株式会社ジェイック
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