営┃業┃革┃新┃の┃急┃所┃
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                   ◆第9回◆
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          ■■■■■■ 今回のテーマ ■■■■■■

               【言葉遣いのカン違い】
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こんにちは、ジェイックの林です。
いつもご購読、ありがとうございます。

最近は、過ごしやすかったあの夏はどこへやらで、暑い日が続いていますね。
暑い夏は、外回りの営業マンには最も辛い季節。
スーツは汗でヨレヨレになるし、体は疲れやすくなりますよね。
皆さん、体調をくずさないよう、健康管理に気を使って夏を乗り切ってください。

■今回は「言葉遣いのカン違い」と題して、お送りします。

でもこのメルマガの前半は当たり前のことしか書いてありません。
(でも前半も参考にしていただけると思いますが)
実は、皆さんに伝えたいのは後半部分なので、是非最後までお読みください。

言葉遣いについて、後半で出てくる「カン違い」をしている営業マン、
多分御社にもいらっしゃいますよ。

■さて、皆さんは「正しい言葉遣い」ができていますか?
 ためしに以下に問題を出しますので、やってみてください。

□□□ 問題 □□□

▼以下の言葉をそれぞれ、尊敬語・謙譲語に言い換えてください。
  尊敬語は主語を「お客様」に、謙譲語は「私が」にして考えてください。

           尊敬語      謙譲語
     ○いる  いらっしゃる    おる
     ○する
     ○行く
     ○来る
     ○言う
     ○聞く
     ○見る
     ○食べる

                          ※正解は、最下段にあります。

■日本語は、丁寧語、尊敬語、謙譲語などがあって、結構迷いますよね。
 実際、営業同行やロールプレイングでは、おかしな表現をよく聞きます。
 例えば、こんなのです。  私のメルマガの常ですが、もちろん全て実話です。

 ●尊敬語まちがい
  顧客『この辺は交通が不便でねぇ。社員はバスで通勤するんですよ』
  営業「そうなんですかぁ。バスは1時間に何本いらっしゃるんですか?」
                      ⇒バスを敬ってどうする!

 ●謙譲語まちがい
  「先日お送りした資料、拝見されましたか?」
                 ⇒お客様にへりくだらせてどうする!
 ●二重敬語
  「〜されていらっしゃるんでしょうか」(される+いらっしゃる)
  「・・・とおっしゃられておりました」(おっしゃる+られる)
  「先日お送りした資料、ご覧になられましたか?」(ご覧になる+られる)
         ⇒日本語としては間違いだけど、よく使われていますね

 ●「お」まちがい
  「(研修の打ち上げで)先生!おビールおつぎします!」
               ⇒カタカナに「お」をつけるのは間違い
                そもそもスナックじゃないんだし・・・

  「(昼食で)おご飯召し上がりになりますか?」
        ⇒1回だけ聞いたことあります。(笑)
         そもそも「ご飯」は「飯」の丁寧語。
        「ご担当」を「おご担当」と言ったらおかしいでしょうに


 もちろん営業マンたる者、こんなことではいけません。
 だって、言葉が武器なんですから。

■でも、別にこういう言葉遣いの間違いを伝えたいワケではありません。
 このメルマガの本番はこれからです(笑)。

 皆さんに伝えたいことは、

    ★ていねいすぎる言葉遣いには大きなデメリットがある★

 ということです。

■例えば、こんな言葉遣いをする営業マンはホントたくさんいます。

 ●「させていただく」が口癖
  「はい、これは〜とさせていただいております」
  「そうですね、〜や〜といった商品を取りあつかわさせていただいております」
  「弊社は、〜ということをモットーにさせていただいております」
          ⇒「させていただく」ばっかりで、しつこい丁寧さを感じる
 ●ばかていねい
  「さようでございますか。わたくしどもといたしましては・・・」
  「〜されていらっしゃるのですか。それは大変でございますね」
               ⇒ばかていねいで、ぜんぜん気分よくありません


 上記のような敬語を使っている方は、相手(お客様)に良い印象を与えたい、
 或いは、悪い印象を与えたくない、と思っているのでしょう。
 しかし、その目論見は見事に失敗しています。
 そして多くの場合、彼らは自分の失敗に気づいていません。

▼こういった言葉遣いをしている営業マンに好印象を持ちますか?
 私だったら、少しだけ気分悪くなります。
 繰り返されると、うんざりしてもきます。

 私は、ばかていねいな営業マンを信用しません。
 何かを偽っているような気がするからです(あくまでも気がするだけですが)。
 例え言葉が拙くても、率直で一生懸命に話す営業マンから
 話を聞きたいと思います。

▼敬語で外面を繕っているよりは、人間味のある営業マンに好印象を持ちます。
 敬語にばかり気を使っている営業マンより、普段着の営業マンに会いたいのです。


 馴れ馴れしくなくて、著しく間違っていなければ、
 少しくらい言葉遣いが乱暴になってしまっても気にしません。
 特に若い営業マンが過剰な敬語を使うと、
 せっかくの若さがまるで伝わってきません。

 不思議なもので敬語を下手に使いすぎると

       ★逆に敬意が薄れる
      ★説得力が発揮できなくなる
      ★人間性が伝わらなくなる


 というマイナスの効果があります。

 「さようでございますか!」ではなく「そうなんですか!」でいいじゃないですか。
 「〜させていただいております」ではなく「〜してるんです」でいいんです。
 「〜でございます」ではなく「〜なんです」の方がずっと好感を持てます。

 私は営業研修で、敬語についてカン違いしている営業マンに出会ったときは

   ★もう敬語は使うな!最後に「です」「ます」をつけるだけにしなさい

 と指導をします。
 ちょっと極端ですが、そのくらいでちょうど良いことが多いからです。

 是非一度、自分や部下の方々の言葉遣いをチェックしてみてください。

 そして今後は、正しいお言葉遣いをお使いになられてくださいませ・・・
                     ・・・・あっ、間違えたっ!

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□□□ 解答 □□□
  尊敬語 謙譲語
○いる いらっしゃる おる
○する なさる いたす
○行く いらっしゃる うかがう、参る
○来る いらっしゃる 参る
  お越しになる  
○言う おっしゃる 申し上げる
○聞く お聞きになる うかがう
○見る ご覧になる 拝見する
○食べる 召し上がる いただく

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次回のテーマは、「お客様に教えていただくこと」です。
実は、お客様はあなたの最良のコンサルタントなのです。
お楽しみに。
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執筆:ジェイック営業コンサルタント
   林丈司(はやし じょうじ)
   hayashi@jaic-g.com
編集:近藤浩充(ジェイックIT推進室)
   kondou@jaic-g.com
発行:株式会社ジェイック
   http://www.jaic-g.com/

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