営┃業┃革┃新┃の┃急┃所┃
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◆第107号◆
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■■■■■■ 今回のテーマ ■■■■■■
誰でもできる〜心理学を応用した説得術
株式会社ジェイック
http://www.jaic-g.com/
チーフコンサルタント 林丈司
hayashi@jaic-g.com
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こんにちは。
11月に入っても、薄着で過ごすことが可能なほど
温暖な気候が続いていますね。
気象庁が発表した来年1月までの長期予報でも、
今年も気温が高めになると言っています。
過ごしやすいのはいいのですが、雪国生まれの私としては、
やはり手がかじかむような寒い冬が好きです。
そういえば、温暖化が進みここ数年、手がかじかんだことってないような・・・
さて、今回は心理学を応用して、お客さんを説得しちゃいましょう、
ということをテーマにあげました。
「人間は自分で思いついたことの方を信じる」
つまり人間は、理論や根拠・事実ではなく、
ただ“自分で思いついたことだから”という理由だけで、
いとも容易くそのことを信じる傾向があるそうです。
ある心理学の本でこのことを読んだとき、
そういえばこんなことがあったな・・・と思ったものです。
■ 呆れた上司の話
若いころ、仕事のシステム上の問題点とその改善を
上司に訴えたことがあります。
それはまさに現場に携わった私だから気づけたことで、
他のメンバーのためにも最優先で取り組むべき課題だと説明したのです。
そしてこの課題を解決するのはそんなに難しいことではなく、
上司の承認があれば比較的短期間に改善が可能なことでした。
(仮にこれを課題Aとします)
しかし私の説明を聞いた上司の考えは違っていたようで、
「なるほど必要だねぇ、でもむしろこっちの別の課題のほうが重要だろ」
という反応でした(これを課題Bとします)。
ところがその半年後、私が説明したその課題Aに、
当の上司自身が直面することになったのです。
すると彼は、「Aにはすぐに取り組まないといけないと思うのだが・・・」
と、いかにも自分が発見したことのように皆に説明していました。
もちろん半年前の私の説明が拙かったのかもしれませんが、
その上司の我田引水ぶりには呆れたものです(笑)。
■ 自分の思いついたことの理解の深さ・・・
冒頭に書いた「人は自分の思いついたことを信じる」という心理を
前提に置いて、この上司の思考を想像すると以下のような感じでしょうか。
その上司は「今の優先課題はBである」という結論が先にあり、
私の説明を聞く前からこの結論を覆すつもりはなかったでしょう。
(おそらく無意識でしょうが)
上司が信じたいことは自分で思いついたBなのだから、
私がいくら課題Aを(根拠を持って?)説明しても無駄だったのです。
しかし、この上司は自分が課題Aに直面したことで、
「Aには優先して取り組まないといけない」と
“自分の中から”思いつきました。
結果、自分で思いついた考えに支配された上司は、
課題Bよりも優先して課題Aに取り組むことにしたわけです。
ついでに言えば、課題Aに取り組むことにしたのは、
私の意見具申ではなく上司自身が思いついたからなので、
他人に自分のアイデアであるように吹聴していたのもわかる気はするのです。
この上司に限らず、「自分で思いついたことだから強く信じる」
という面は誰にでもありますよね?
信じる、とは、より深く理解できている状態です。
つまり
人から説明を受けて認識したことよりも、
自分の思考によって至ったことのほうが、
理解のレベルがはるかに深い
のです。
■ 説明ではなく質問を
・・・ということは
そう、人に何かをきちんと理解させるためには、
自分で思いつくよう仕向ければいいのです。
営業マンは普通、お客様に商品やサービスをわかっていただこうと、
一生懸命説明をすることでしょう。
その一生懸命さのあまり、
営業マンがペラペラ喋りお客さんは聞くだけ
、
という一方的な商談になってしまうことさえあります。
でも、先に述べたことを参考にすると、より有効なのは説明ではありません。
ある意図に基づいて質問を多用する
ことのほうが、
効果的で大きな説得力を生むのです。
もちろんこの質問は、お客様自身で思いついていただくために
慎重に計算されなければいけません。
ところで、あなたがお客様に信じて欲しいのはどんなことでしょうか?
その商品が競合よりも優位にあるということですか?
価格を支払う価値が十分に高いということですか?
それとも3年先に買うよりも今がお得だ、ということでしょうか?
営業マンですから他にもいろいろあるでしょうね。
これらをお客様に理解し、信じていただくために、
どうやって質問を設計すればいいか、をご説明しましょう。
しかし・・・・
今回は残された紙面?が限られてしまいました。^^;
よって次回に、具体論でこの件をお送りする予定です。
お楽しみに。
了
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・・・・・・・・・次回もお楽しみに
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発行:株式会社ジェイック
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