ビジネスでの問題解決能力が身につくフェルミ推定の考え方とは

2016/07/06
世の中にはたくさんの情報があふれていますが、本やインターネットで調べても欲しい情報が見つからな
い場合も少なくありません。調べても分からないときはあきらめることも1つの選択肢ですが、限られた
情報を基におおよその見当をつけることはできます。
今回はそのようなときに役立つフェルミ推定の考え方についてご紹介します。フェルミ推定の手法を学び、
ビジネスにおける問題解決能力を身につけましょう。

◆フェルミ推定とは

正確な値を得ることや調査によって知ることが困難な量を、限られた情報を手掛かりに推論し、短時間で
概算すること
を「フェルミ推定(Fermi estimate)」と呼びます。このフェルミ推定は、1938年にノー
ベル物理学賞を受賞したエンリコ・フェルミ氏に由来します。フェルミ氏はこのような概算を得意とし、
シカゴ大学の学生に出題した「シカゴに何人のピアノ調律師が
いるか」という問題は非常に有名です。

◆フェルミ推定をビジネスで生かす


ビジネスで生かす
なぜフェルミ推定がビジネスで脚光を浴びているのでしょうか。
ビジネスに限らず、正確な値を得ることや調査によって知ることが困難な量は少なくありません。しかし、おおよその見当をつけることによって、問題に対する理解を深めたり、見通しを良くしたりすることが可能です。

例えば、特定のマーケットへの新規参入を検討する場合を考えてみましょう。新規参入の検討にあたり、市場規模のデータが欲しくなりますが、問題はデータの入手方法です。
大きなマーケットであればシンクタンクやマーケティング企業からデータを手に入れることができるものの、ニッチなマーケットについては未調査の場合もあります。このような場合でもフェルミ推定でおおよその市場規
模を求め、事業戦略策定に生かす
ことができます。


◆「シカゴに何人のピアノ調律師がいるか」


「シカゴに何人のピアノ調律師がいるか」
記事の冒頭でご紹介した、フェルミ氏が学生に出題した問題です。この問題をフェルミ推定で考えてみます。正確な値を求めることではなく、おおよその見当をつけることがフェルミ推定の目的です。不明確な値に対して大体の値を当てはめ、概算値を求めましょう。

以下のような仮定を設けます。






【仮定1】シカゴの人口は300万人である
【仮定2】1世帯当たりの人員は4人である
【仮定3】5世帯に1世帯がピアノを所有する
【仮定4】ピアノを所有する世帯は、ピアノの調律を毎年行う
【仮定5】調律師は週5日、毎日4台のピアノを調律することができる
【仮定6】調律師は2週間の夏季休暇を毎年取得する

最初に1年間で調律が必要なピアノの台数を考えます。
仮定1と仮定2から、シカゴの世帯数は300万÷4=75万(世帯)、さらに仮定3より、シカゴにおけるピア
ノの台数は75万÷5=15万(台)と推測されます。したがって、仮定4から、毎年15万台の調律が必要で
す。

次に1人のピアノ調律師が1年に調律できるピアノの台数を求めます。
1年は52週ですが、仮定6より年間稼働は50週であること、及び仮定5より、1人のピアノ調律師が1年で調
律できるピアノの台数は、4×5×50=1,000(台)です。

よって、シカゴには調律を必要とするピアノの台数が年間15万台、ピアノ調律師が調律可能なピアノの台
数が年間1,000台であることから、シカゴにいるピアノ調律師の人数は15万÷1,000=150(人)と推測
できます。

◆おわりに

ビジネスにおいては、専門家ですら答えが分からないような、誰も知らない答えを自分で見つけなければ
ならない場合もあります。フェルミ推定は外資系コンサルティングファームの面接試験でも出題される他、
頭のトレーニングとしても活用できます。フェルミ推定で論理的思考力を鍛え、問題解決能力を身につけ
ましょう。

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