メンタルヘルスチェックが義務化へ、ストレスチェック制度の概要

2016/01/14
近年、心の病による社会問題が急増しています。従業員の休職による企業の生産性の低下のみならず、自殺者や重大犯罪までもが発生する現代の状況は、決して無視できるものではありません。
そこで2015年12月から、心の病の早期発見・減少を目的として労働安全衛生法の一部が改正されて施行されます。その中に通称「ストレスチェック制度」と呼ばれる条項が含まれており、事業者にもストレスチェック制度導入の義務が課せられることになりました。

ストレスチェック制度の概要
目的
メンタルヘルス不調の未然防止(発症予防)。また、本人自身のストレスへの気付きを促すと共に、ストレスの原因となる職場環境の改善につながることが期待されています。

内容
常勤労働者に対して、以下の実施が義務化されます。
1.医師・保健師等による心理的な負担の程度を把握するためのストレスチェック
※本人の同意なく、事業者への検査結果提供は禁止されています。
2.チェックの結果、一定要件に該当する労働者(本人)から申し出があった場合の医師による面接指導
※申し出を理由とする不利益な取り扱いは禁止されています。
3.面接指導の結果に基づき、必要に応じた治療勧告や休業など就業措置
※年1回のストレスチェック実施と報告が義務付けられています。

事業者が必要な対応
産業医の選定
50人以上の事業者の場合、産業医を選任することが必要です。ただし、50人以上999人以下の事業場(所)では非常勤で構いません。
産業医との連携は、制度の実施において非常に重要な要素です。ストレスチェック業務の重要な部分を担ってくれる存在であるため、今まで以上に円滑なコミュニケーションを図るようにしましょう。


年1回以上のメンタルチェックの実施
最低でも年に1回のメンタルチェックを行う必要があります。メンタルチェックは、外部に委託することも可能です。

社内研修
義務ではありませんが、メンタルヘルスケア研修によって、心の不調の見付け方、予防方法、発症した場合のケアなどの知識をつけておくことも有効な対応方法です。
心の不調は、人事異動や仕事内容の変化などによって短期間に大きくなることが特徴です。そのため、人事面談の際にストレスチェックシートなどを用いて心の不調を掴むようにするなど、ストレスチェックとは別に、定期的にチェックすることが一番の予防策と言えます。
ストレスチェック制度の導入に向けて
ストレスチェック制度への対応は非常に大変に思えますが、案外そうではありません。
従来の健康診断は心身の「身」だけでしたが、そこに「心」の健康診断に相当するストレスチェック、あるいはメンタルヘルスチェックを追加するだけという考え方ができます。
制度導入に関するケアも充実しています。産業保健総合支援センターが実施しているセミナー(無料)や制度導入のための個別訪問による支援(無料)などもあるため、ぜひ活用してみてください。
また、50人未満の事業者は当面の間は努力義務になっています。補助金制度もありますので、自社に合った制度をじっくり検討して導入しましょう。

おわりに
ストレスチェック制度の概要や対応方法をご紹介してきましたが、うまく機能するかどうかは、本人と上司や会社間の信頼の有無にも大きく関わっています。「相談すると、不利な扱いを受けるのではないか」と思わせるような環境の下では、成功は望めません。そのため、社員が気軽に相談できる体制・環境作りにも配慮してください。
また、社員だけではなく、就職内定者のストレスチェックを行い、メンタルヘルス状況を把握することをおすすめします。これにより、内定者からの信頼を得ることにもつながるでしょう。
メンタルヘルス対策を十分行うことは、会社を守ることにつながります。自社に合った内容の制度を充実させ、効果的に運用してください。
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