第3回 「ワンマン経営の先代から引き継いだ遺産「指示待ち」風土の改革」(後半)

2013/11/27
7つの習慣®コラムの第3回
「ワンマン経営の先代から引き継いだ遺産「指示待ち」「風土の改革」の後半です。


そんな課題を踏まえて、S氏が導入を決めたのが「7つの習慣®」の考え方です。
S氏が自分で「7つの習慣®」のセミナーに参加して、
いいなと思ったことがきっかけです。

「今まで物理的な環境、仕掛けは整えてきた。
社員教育もそれなりにやってきた。
その上で残っている考え方の課題を解決できるんじゃないか・・・」
と考えたのです。

しかし、S氏はいきなり全社に導入することはしませんでした。

幹部の1人、M氏に、研修に参加してもらったのです。
そして、受講したM氏に「他の社員にも受けさせたい?」と訊いたところ、
「受けさせたい」といったので、「じゃあ導入しよう」と。

ここでもS氏は自分1人のトップダウンではなく、
現場を実際に動かしている幹部、キーマンの声を尊重して決めていきました。

また研修を告知するうえでも、“会社が求める考え方”というところではなく、
“参加者にとって価値がある”という点をアピールし、
“トップダウン”“押し付け”という色を薄めました。


導入の成果として、社員との接点が多い幹部のT氏は

「提出物を自発的に出してくる、積極的に納期を守るとか、
 今までは何度か言わないと動かなかったような仕事を、
 言わなくても取り組むようになった」

「今まで無愛想だったリーダーが、
 自分から周囲に話しかけるようになった」

といいます。


会社としても、今までは毎年出ていた退職者がゼロになりました。
S氏は「全社的に『自分のことを考えるよりも、まず相手のことを考える』人が
前に比べると増えてきた。その効果だと思う」と仰います。




振り返ると、B社が考え方教育に成功した理由は3つのポイントがあります。

1つは、まず「こんな会社にしたい」という理想を思い描かれたことです。

「7つの習慣®」の中には、
第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」というものがあります。

ご存知だと思いますが、経営コンサルティングの世界でも、
「“モグラ叩き”的に問題に対処するのではなく、
理想像を描いて、理想に至るための真の問題を見つける。
それが出来れば、問題解決の8割は終わっている」と言います。

組織でも、個人でも、まず理想を描くことが、行動にぶれない一貫性を持たせ、
効果性を高めます。そのためには解決したい課題から離れ、
実現したい理想像を描くことが大切です。


2つ目は、考え方の教育だけではなく、
決算数字や予算の決め方といった「仕掛け」に取り組まれたことです。

やはり考え方の教育だけを行っても、
日常とかい離してしまうと効果は薄れます。

描いた理想に向かって、考え方の教育と日々の仕事がつながるための
仕掛け、環境を整えることが必要です。


3つ目は、前回の繰り返しにもなりますが、
「会社が求める考え方として押し付けない」ということです。

考え方の教育は“押し付けられたもの”として捉えられてしまうと、
効果がないどころか、会社への反発を生む要因にもなります。

優れた考え方であれば、仕事だけに当てはまるものではなく、
家族関係や人間関係といったプライベートも含めて、
個人の人生に対して良い効果を及ぼします。

考え方の教育には「参加者のあなたにメリットがある」という点を伝え、
受講者が受け入れられる姿勢を作ることが重要です。


考え方教育は、目指したい理想の姿、日常の仕事と結びつく仕掛けが
三位一体になったとき、最大の効果を生み出します。

考え方教育はすべてを解決する万能のツールではありませんが、
うまく使えば、組織づくりを強力に後押ししてくれるのです。


※ご紹介している事例は事実に基づきますが、会社の特定を防ぐため、
 一部アレンジしています。ご了承ください。(要約)

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作成者:稲葉
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